Aftermath (English Edition) -
オースティンとキャメロンはまったく異なる人生を歩んでいたはずだった。オースティンは会計士で上流家庭に生まれ、妻と子どもがいる。一方キャメロンはビンテージカーの整備士でバイセクシャル、発達障害をもっている。だがある日、2人は同時に見知らぬ男に拉致され、そのまま同じ部屋に監禁されたのだ。2人を含め、合計10人が拉致監禁された事件は数か月後解決した。監禁されていたあいだ暴行で死者もでて、生き残った男たちには無数の傷が残り、全員深刻な後遺症に悩まされるが、同じ独房に監禁されていたオースティンとキャメロンには絆が生まれ、それはやがて愛に変わっていく…
Cara Deeさんのストーリはこれで2冊目。この方はどうも、PTSDやトラウマ解消シチュエーションにオブセッションがあるらしく、前に読んだ本も、飛行機事故で家族を亡くしたバイの男性が悲劇を克服していく話でした。M/Mにかぎらず「エロチカ」ジャンルでラブストーリーをいくつも発表していますが、どうやらそういう話ばかり書いている人のようです。
今回のストーリーは前に読んだ話よりもっと露骨で、むごい描写もけっこうあるので苦手な方は注意です。2人の男が拉致監禁から解放された後しばらくしてから物語ははじまりますが、解放後の生活の中で、それぞれの「フラッシュバック」を描写する形で2人が巻き込まれた事件の全体像がみえていく、という構成になっています。
主人公の片方、オースティンは生活も豊かで安定した人格ですが、一見おだやかな家庭にみえて実は妻と疎遠でした。もう一方のキャメロンは発達障害があり、監禁中たびたびパニック発作も起こします。事件全体では10人の男が監禁されて2人ずつ独房に入れられておりまして、オースティンとキャメロンはたがいに助け合ううちに離れがたい絆を得ていきます。
内容的には読み手を選ぶかと思いますが、Deeさんは英語が簡単でとても読みやすいし、ストーリーも整理されていてわかりやすいので、こういうトラウマ回復ものが好きだって人にはいいと思う。私はけっこう好きです。官能シーンも描写の仕方が露骨でもなく、ぼかしすぎでもなく、多すぎもせず(多いと私は飽きる笑)バランスがとれていると思います。
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