2017年04月10日

Aftermath(Cara Dee)/凄惨な事件のあとにうまれるもの(M/M)

Aftermath (English Edition) -
Aftermath (English Edition) -
オースティンとキャメロンはまったく異なる人生を歩んでいたはずだった。オースティンは会計士で上流家庭に生まれ、妻と子どもがいる。一方キャメロンはビンテージカーの整備士でバイセクシャル、発達障害をもっている。だがある日、2人は同時に見知らぬ男に拉致され、そのまま同じ部屋に監禁されたのだ。2人を含め、合計10人が拉致監禁された事件は数か月後解決した。監禁されていたあいだ暴行で死者もでて、生き残った男たちには無数の傷が残り、全員深刻な後遺症に悩まされるが、同じ独房に監禁されていたオースティンとキャメロンには絆が生まれ、それはやがて愛に変わっていく…

Cara Deeさんのストーリはこれで2冊目。この方はどうも、PTSDやトラウマ解消シチュエーションにオブセッションがあるらしく、前に読んだ本も、飛行機事故で家族を亡くしたバイの男性が悲劇を克服していく話でした。M/Mにかぎらず「エロチカ」ジャンルでラブストーリーをいくつも発表していますが、どうやらそういう話ばかり書いている人のようです。

今回のストーリーは前に読んだ話よりもっと露骨で、むごい描写もけっこうあるので苦手な方は注意です。2人の男が拉致監禁から解放された後しばらくしてから物語ははじまりますが、解放後の生活の中で、それぞれの「フラッシュバック」を描写する形で2人が巻き込まれた事件の全体像がみえていく、という構成になっています。
 主人公の片方、オースティンは生活も豊かで安定した人格ですが、一見おだやかな家庭にみえて実は妻と疎遠でした。もう一方のキャメロンは発達障害があり、監禁中たびたびパニック発作も起こします。事件全体では10人の男が監禁されて2人ずつ独房に入れられておりまして、オースティンとキャメロンはたがいに助け合ううちに離れがたい絆を得ていきます。

内容的には読み手を選ぶかと思いますが、Deeさんは英語が簡単でとても読みやすいし、ストーリーも整理されていてわかりやすいので、こういうトラウマ回復ものが好きだって人にはいいと思う。私はけっこう好きです。官能シーンも描写の仕方が露骨でもなく、ぼかしすぎでもなく、多すぎもせず(多いと私は飽きる笑)バランスがとれていると思います。


posted by めねたおたべ at 09:10| M/Mロマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

PsyCopシリーズ1、2巻/超能力刑事ものM/Mである

Among the Living (PsyCop Book 1) (English Edition) -
Among the Living (PsyCop Book 1) (English Edition) -
<PsyCop>とは警察捜査に投入された超能力者の刑事である。この制度では、通常人の刑事とさまざまなサイキック能力を持つ刑事がコンビを組んで活動することになっている。ヴィクターはこの制度がはじまっていらい最強の霊媒として捜査にあたっていたが、長年コンビを組んでいた刑事が退職することになり、退職祝いのパーティでジェイコブに出会う。彼も警官だったがサイキック能力のない通常人で、ヴィクターを誘ってくる。その一方、ヴィクターは新しいパートナーとなった女性刑事と共に起きたばかりの殺人事件の捜査にあたるが、通常聞こえてくるはずの犠牲者の声がまったくないことに戸惑っていた…


Criss Cross (PsyCop Book 2) (English Edition) -
Criss Cross (PsyCop Book 2) (English Edition) -
ヴィクターは新しい刑事のパートナー、ロジャーと組むようになったが、この頃自分の能力が奇妙に強くなっていることに困惑していた。かつては声が聞こえ、姿がみえるだけだった死者たちが、自分に干渉してくるようになっていたのだ。しかしクリニックの医者はヴィクターの肝臓が致命的な損傷を負っているといい、超能力を押さえるドラッグの使用を禁止した。おまけに前回の事件以降、ジェイコブとヴィクターは同棲していたが、眠っているあいだにジェイコブに危害を加えようとしていたらしい。いったい自分はどうなったのか?


3月に読んでいたJordan Castillo PriceのM/Mシリーズ。現在7巻まで刊行されています。
「サイコップ」ってなんだか懐かしい響きだと思うんですがどうしてなんでしょう。かつては統合失調症だと思われていた患者がじつは超能力者だったことがわかって、政府によって刑事として働くよう訓練されている世界です。主人公ヴィクターは死者の声をきいたり姿が見える霊媒なんですが、ほかにも「うそ発見器」的な能力を持つ人だとか、エンパス(共感能力者)とか、Yes/Noの問いを発することで「正解」がわかる能力だとか、いろいろな能力持ちが登場します。なんだか昔読んだマンガみたいな雰囲気です。

この主人公のヴィクターはかなり強力な霊媒なので、彼にとって日常生活はものすごく大変なものでして、超能力をシャットダウンするドラッグの使用が認められています。ただこのドラッグ、副作用もすごくてハイになってしまうのですが。で、ハイになってる最中にジェイコブと出会ってひかれあいます。ジェイコブはなんというか包容力のあるタイプのゲイでして、ふたりはすぐ付き合いはじめるんですが、ヴィクターはうじうじしたタイプの人なのでなかなか心を開けない(けどジェイコブは好きなんだよね。めんどうくさいやつだ)そこへ殺人事件やらヴィクターを陥れる陰謀やらがからんで…というストーリー展開です。

設定が完全にマンガで、ゴーストやら超自然存在がでてくるんで若干ホラーっぽいところもありまして、私はわりとおもしろく読みましたが人は選ぶかなと思います。あとヴィクターがトラウマまみれのつらい人なので、彼に感情移入できるかどうかでも変わってくるかもしれません。英語は慣れなくてけっこう難しく感じました。続きの巻はどうしようかなあ。




posted by めねたおたべ at 12:59| M/Mロマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月31日

3月報告/洋書版ビブリオバトルみたいなのがあればいいのになあ…とか

しばらく更新しておりませんでした。
洋書を読んでなかったわけではないのですが、2月後半からいくつかプロジェクトが動いていたのでわりとそっちにかかりきりで、このブログのことを少し忘れていたかもしれない(笑)
実際、読みかけてつまんねえなと投げた本とか、まだ読みかけの本が多くて、読了本はあまりないのですが、以前読んだショートストーリーのアンソロジーで知った Jordan Castillo PriceのPsyCopシリーズは2冊読みましたので、今度レビュー書きます。これは超能力デカM/M(笑)で主人公はヤク中みたいな人なんですがわりとよかったです。ただ私には若干英語が難しかった。
言葉というのは、日本語もそうですが、少々難しいなと思っても続けて毎日何時間かずつ読んだり聞いたりしていると読めるようになってくるわけですが、今月は他のことにかまけてサボっていたのでまあ仕方ない。でもつまるところ趣味の読書ですからこれでよいのです。

しかし、ラニヨンの新刊も出たし(All's Fairシリーズついに完結!まだ読んでないけど)また新刊出るし(昨年始まった美術がらみの新シリーズ)他にも読み切りが出るらしい(予約済)なので読むものはいっぱいある。KJ CharlesさんやAnnabeth Albertさんの本も積読してますし、児童書はInkheartがまだ途中だ。うーんいっぱいあるな。あるけど気に入った作家さんは別のシリーズを買ってまた積読したりしております。
AmazonのM/M Kindle本は取扱いがなくなってしまうことがけっこうあるのだと最近気がついたので、これぞという本は買っておいた方がよろしいと思うようになりました。せいぜい800円とかそんなもので、何千円もする本じゃないしね。

あと3月はNPO多読の多読祭りへ行ったのですが、これはハズレで、いまいちでした…私の求めていたものではなかった。
2012年10月から多読を初めて、絵本から児童書、大人のエンタメ本と読めるものが増えて行ったわけですが、この本がいいというのをじかに人に会って話せる機会がぜんぜんないし、読んで面白かった本について人が話すのを聞ける機会がないので、私が求めているのはそういう場所なんだと思います。今回のNPO多読以外にも「洋書を読む会」みたいなのに行ったことはあるんですが、すごくつまらなかった。まあでもああいうところへわざわざ来る人は結局、英語の勉強がしたいんだろうな…だってみんな、多読とかいってもたいして読んでないし、みんなが読んでる本しか読んでない。それに読んだ本について(日本語で)ちゃんと語ってくれない。
もちろんそういう人ばっかりではないはずで、実際NPO多読の会にはタイバニを英語版で見ている人が熱く語っておりまして、ああいう人の話なら私は1時間でも聞ける。だから洋書版ビブリオバトルみたいな会があるといいのになあと思いました。そうしたらオレはラニヨンのファンを増やすために熱く語ってやるんだが!(←迷惑)

まあ、英語能力に関しては、今年は書いたり喋ったり、要はインチキでない英語力をつけなくてはいけない状況が出てきそうなので、それはそれでやらなくてはならないと思っております…


posted by めねたおたべ at 09:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月25日

Murder Between the Pages(ジョシュ・ラニヨン)/ライバル同士のミステリ作家たちと密室殺人(M/M)

Murder Between the Pages (English Edition) -
Murder Between the Pages (English Edition) -
第2次大戦の傷がまだなまなましく人々の心に残る頃の、アメリカ・マサチューセッツ州コンコード。ミステリ作家のフェリックス・デイは書店で開催された悪名高いとある作家の講演へ訪れる。会場にはフェリックスの宿敵であるミステリ作家、レイモンド・フラーの姿もあった。
ところが講演の最中、ステージの上で主役の作家が部屋のどこかから飛んできた銃弾に狙撃され、即死する。そのままフェリックスとレイモンド、その他の来場者は足止めされて捜査を受けるが、その後書店は火事になり、しかも捜査に当たっていた刑事がやはり狙撃されて死んでしまう。殺人の謎を解こうと、フェリックスとレイモンドは思わぬ共闘をすることになるが…

ジョシュ・ラニヨンのヒストリカル。ラニヨンの大好きな作家ものミステリで、なんだか懐かしい感じの密室殺人で、ライバル作家同士対立しているフェリックスとレイモンド、それぞれの視点で交互に語られます。

これ、発売直後に入手していたんですが、雰囲気にうまくのれず、とっつきが悪くてなかなか最後まで読めませんでした。とくにフェリックスの語りがもってまわってて私には単語も難しく、途中まで読んで放置していたのですが、最近思い出して読んでみたらなぜかするするっと読めて、けっこうおもしろかった。

作家が集まるイベントで作家が死んじゃって、ミステリ作家が謎解きをはじめる、というパターンは日本でもある時期はやりましたよねえ。加えて密室という、そこはかとなく新本格の気配がするというか(ちがうけど笑)

この謎解きに互いをライバル視して犬猿の仲のミステリ作家ふたり、ツンデレのフェリックスと軽々しくて人気爆発中のレイモンドが参入しまして、物語の進行にともなってふたりの関係も変わっていく…という、ラニヨンお得意のシチュエーションです。
私の場合、ラニヨンのストーリーで最初とっつきにくいとか読みにくいなあと感じたものは、しばらく苦労するものの読み終わると案外自分の好みだったなーというケースが比較的多い気がします。今回もそのパターンでした。

フェリックスもレイモンドも第2次大戦で連合軍側で従軍しており(フェリックスがOSSでレイモンドがエアフォースというわかりやすい性格づけ)精神的な後遺症が物語の雰囲気を作っています。
ただまあ、小ネタの遊びはあまりうまく効いてない部分もあったかな? この手の新本格風ミステリの、ある種オタクっぽい遊びが楽しめない人にとってはそんなに面白くないかもしれません。

フェリックスはラニヨンお得意のツンデレキャラで、実際にこういう人にあったら超めんどうくさそうだけどラニヨンが書く分には可愛くていいや。アドリアンといいキットといい、作家が主人公の場合、ラニヨンはちょっと性格のまがった人をもってきますねえ。ファンにとってはそこがいいんだけど。



posted by めねたおたべ at 09:15| M/Mロマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月24日

Magic And Mayhem: Fiction and Essays Celebrating LGBTQ Romance(ジョシュ・ラニヨン、メガン・デア他)

Magic And Mayhem: Fiction and Essays Celebrating LGBTQ Romance (English Edition) -
Magic And Mayhem: Fiction and Essays Celebrating LGBTQ Romance (English Edition) -

アメリカのLGBTQロマンスのコミュニティGay Romance Northwest(GRNW) によるアンソロジー。GRNWは「誰もが自分のジェンダーやセクシュアリティに似合った「ハッピーエンディング」のストーリーを楽しむことができる」という信念のもと交流を行っている組織らしい。LGBT団体とも協力し、Meet-upイベントも開催しているとのこと。このアンソロジーには2015年のイベントで開かれた「Character Type Love Match」で上位2つにあがったキャラクタータイプの組合せ(「ソルジャー/タトゥアーティスト」「サイボーグ/魔術師」)を使って、M/MやLGBTフィクションおなじみの作家さんたちが短いストーリーを書き下ろしているほか、LGBTQロマンスに関するエッセイなどを収録しています。

最初の方に収録されている「どうやってクイアロマンスイベントを開くか」や現役の司書による「図書館にLGBTロマンス本を入れる方法」のようなエッセイがおもしろいです。全体に、なにかというとバカにされがちな「ハッピーエンドのロマンス」に対して前向きな姿勢というか、誇りが感じられて、なんだか元気になります。加えて、この手のアンソロジーはいろいろな作家さんを知る機会になるのでありがたいです。

posted by めねたおたべ at 12:16| M/Mロマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

A to Z (マリー・セクストン Coda Series Book 2)/ 潰れかけたレンタルビデオ店を再生する話(M/M)

A to Z (Coda Series Book 2) (English Edition) -
A to Z (Coda Series Book 2) (English Edition) -
デンバーのある町で、ザックはレンタルビデオ店を経営しているが、映画が嫌いだ。前の恋人が猫を残して出て行ってから何年もたつが、猫はいまだに彼になつかない。別れた恋人は映画が好きだったが、ザックは興味がなく、ただ惰性で店を経営している。はじめは大学を出てもっと別の仕事につくまでの腰掛けだと思っていたのに、もう30代なかばである。そんな折、ビデオ店の入った商業ビルの新しいオーナー、トムに誘われて、ザックは付き合いはじめる。
アンジェロは映画マニアでザックの店の常連だった。ザックのことを気に入っていてモーションをかけたこともあるが、鈍いザックは気づかない。そのうちザックはろくでなしの匂いがするトムと付き合い始めた。映画マニアのアンジェロからすると、映画をまったく知らずに経営しているザックの店はめちゃくちゃで、我慢できないほどだ。やがてちょっとした成り行きで、アンジェロはザックの店で働くことになるが…


マリー・セクストンさんの「コーダ・シリーズ」2巻です。今回はもう先行きの見込みがないレンタルビデオ店をリニューアルオープンする恋愛ストーリーです…とかいうとなんか違う感じもしますが、間違ってはいないはず^^

このシリーズ、1巻の "Promises" は先日再読しましたが、この2巻まで翻訳が出ています。シリーズタイトルのCodaはコロラドにある小さな町の名前で、1作目はCodaに住むゲイのジャレッドとそこへ引っ越してきたマットとのストーリーでした。
で、この2作目ですが、コロラドのCodaではなくデンバーから始まります。大学は出ているし実家も中流階級だけどやる気がないレンタルビデオ店主のザック(「プレッピー」お坊ちゃんとアンジェロ君に後にいわれております)と、イタリア系とネイティブアメリカンのハーフで、母親に捨てられて幼少期から苦労してきたアンジェロ君(ザックは彼のことを内心でずっと「パンク」と呼んでおりました)のストーリーなのですが、途中から1作目のジャレッドとマットとの接点ができまして、ザックとアンジェロのCodaへの関わりができていきます。

さて、M/Mを読むようになって2年近くたちますが、ジョシュ・ラニヨンにはじまっていろいろな作家さんのストーリーを読み散らかし、そのなかには途中でうんざりして投げたものから最後まで読んだものまで、すごく面白かったものから全くダメだったものまでいろいろございます。で、こうして読み散らかした後でマリー・セクストンさんを読むと、なんというかこの作家さんはストーリーといい文章といいキャラクターといい、安定してというか、安心して読めるなあ…と思って、なんかびっくりします。こんなことをいうとヘンかもしれませんけど、セクストンさんはちゃんと人物が描き分けられるんですよね。

もっとも私は小説というか物語では「人物」をつねにきちんと描き分けるべきだとはまったく思っていなくて、キャラクター創造に関しては、それぞれの作家がそれぞれの類型的なキャラ像を繰り返し繰り返し生産して、それがむしろ面白い小説がたくさんあると思っているのですが(もともと私は娯楽小説ではスリラーやSFやミステリが好きなので、キャラは類型でいっこうにかまわないというのもあります)ただ、ロマンス小説のような、感情の動きがポイントになるストーリーでは、類型的な像ばかり出てくると食傷気味になるし、個々の人物にリアルな印象が持てないなあ…などと思ったりする。

この点セクストンさんの人物というのは妙に生き生きしているというか、それぞれみんなちゃんと違う人としてセクストンワールドに存在している感じがあって、ああーこの方はうまいんだなあ、などと思うのでした。今回のストーリーも、悪い人じゃないんだけど鈍感なザックと、ものすごく洞察力があるけれど過敏でトラウマを抱えているアンジェロ、という組み合わせが、ドラマのためのキャラの組み合わせというより、ほんとにいる人間みたいに思えてくるところがあって、面白かったです。

もっともストーリー展開自体はそんなに惹かれるかというとそうでもないので、なんかごめんなさいという気分になるのですが、何しろ私がフィクションとして大好物に思っているのはシリアルキラー殺人とか次元を超えた悪魔を呼び出す魔術で世界がぶっ壊れるとか、そういう現実には起きてほしくないものなので、しかたないのでしょう…

posted by めねたおたべ at 23:08| M/Mロマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月16日

こいこいさんのブログ

前にも何度か、多読の参考として言及しているこいこいさんのブログがお引越しをしておられました。お名前を「いつでもこいこい」としてリニューアルされたとのこと。
http://xinnval.com/itsudemo-koikoi/
前も書いているのですが、この方のブログはとても見やすくて、すばらしいのです。
やさしい英語の本を大量に読む「多読」という方法はしばらくお休みするとのことですが、お引越し先でもきちんとオーサーやシリーズ毎に記事が読めるようになっておりまして、本の説明もわかりやすい。
なので、児童書に関しては多読王国と合わせてずっと参考にしてきました。やはりエンジニアの方だけあって、私のめちゃくちゃなメモ書き集積とは違い、整理されているーーー!!!


ところで、こいこいさんのブログに、にほんブログ村とは別の洋書ブログランキングバナーが貼ってあったので、ついでに私も参加してみました。右サイドにもバナーを貼ってあります。


洋書 ブログランキングへ

この手のランキング、やはり便利ですねえ。英語の小説読んでコメントしてるブログなんて少ないので、にほんブログ村ともけっこうかぶってしまうようですけど。


それからまあどうでもいい話なのですが、某記事を非公開にしました。
内容に問題があるわけではなく、かなり前にいつもの調子で書きなぐったYAファンタジーの読書記録なのですが、たまにアクセス解析を見るとここだけ毎日アクセスがついておりまして、どこかにこの記事のリンクが貼ってあるだけだと思うのですが、なぜこれが?とも思うので、なんとなく気持ち悪く、非公開にしました。べつにたいしたアクセス数ではないんですけど、アクセスを稼ぎたくてこれを書いているわけでもないですし。

もともとファイルのアップロード用URLが必要で仮タイトルで開設していたブログアカウントを、多読を開始したとき転用して読書日記にしたので、このブログは名前からして仮タイトルをひきずり、超適当になっております…(それにひきかえ、こいこいさんのブログはなんとちゃんとしていることか^^;)

なので、ここはあくまで個人的な読書記録のメモなので、この場では交流をする気がなく、コメント欄など全部閉じてますが、@toltaroppoでツイッターにいますので、何かありましたらそちらへご連絡ください(とはいえ@には返信したり、しなかったりです。ご了解ください)




posted by めねたおたべ at 12:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月15日

チャールズ・ストロスのランドリーファイルシリーズ(もう翻訳は出ないのかしらん)短編2本

Overtime: A Tor.Com Original (Laundry Files) -
Overtime: A Tor.Com Original (Laundry Files) -

Down on the Farm: A Tor.Com Original (Laundry Files) -
Down on the Farm: A Tor.Com Original (Laundry Files) -

イギリスには通称「ランドリー」と呼ばれる秘密機関が存在する。多元宇宙からやってきて人間をのっとり、この世界を食い尽くそうとする悪夢のような存在を食い止めるために設立された、それ自体が悪夢のような官僚組織である。ボブ・ハワードはランドリーのIT技術者であり、現場工作者だ。
今日もひそかに世界を救います。


私は偏った海外SFファンなのですが、ここ数年ほんとに好きなのはチャイナ・ミエヴィルとチャールズ・ストロスです。
ただし、ストロスで一番愛しているシリーズというのはあんまりSFではない(笑)つまりこの「ランドリー」シリーズです。これ、邦訳だとシリーズ1作目と中篇2本を収録した『残虐行為記録保管所』というのがあるのですが
残虐行為記録保管所 (海外SFノヴェルズ) -
残虐行為記録保管所 (海外SFノヴェルズ) -
(正直、この邦題はどうにかならなかったのかと思う…一応その通りなんだけどカッコ悪いじゃないすか…)

ストロスはSF『シンギュラリティ・スカイ』の翻訳が出た時以来大好きになったんですが、正直完璧にノックアウトされたのはランドリーファイルの方です。でもねー翻訳の続きが出ないの!現在7巻まで原著は刊行されているんですが、ちっとも出ないの!人気ないのかなあ…Amazonのレビューとか微妙だもんなあ…でも私は大好きなの!


なんていうんですかね、簡単に言うと「クトゥルフ×テクノホラー×スパイもの」なんですが、笑っちゃうみたいな設定をとことん真面目にやってるのとか、独特のひねくれたユーモアというかゆがんだ笑いが垣間見えるところとか、官僚主義に対するツッコミとか、馬鹿馬鹿しい理屈をラノベ的にこねまわすところとか(でもこれが面白いんだよ…純粋数学は魔術に通じていて、幻のチューリング方程式によって多元宇宙の悪魔を呼び出せるっていうネタがこのシリーズの骨子であります)純粋に学究的な興味で数学やってたら知らないうちにナイアルラトホテップを召喚しそうになってたとか、妙なところで細かい描写とか、まあ単に私がこういうのがドツボというだけなんですが、とにかく大好きなのであります。

でも翻訳出ないんだよねえ。だからまあ、しかたないので、短編だけどついに英語で読んじゃったよ。どちらも1万語もないくらいの短編なので、どうにか読めました。でもこの人の文章は単語が難しいし、たぶんいわゆる美文ではないので、読みやすいとは言い難く、かなりストレスではあります。でも好きなんですけど。そしてなんとか短編を読んだので、今後シリーズ本編の続きにも挑戦しようと思います。まあ私としては金子浩さんの翻訳で読みたいんですけど…

ただまあ、ストロスは読みにくいといっても、イーガンみたいな概念的な難しさはないし、ミエヴィルほどごちゃごちゃキャラクターが出てきてわけわからないってこともないし、とくにランドリーものはキャラ設定がわかりやすく話もある程度型にはまってるので、本編もきっとどうにかなるのではないだろうか(希望的観測)

ちなみに上の短編ですが、どちらもシリーズの1巻を読んでないと楽しめないと思うので、もし読みたいという酔狂な方がいたら、1巻の翻訳をまず読むことをお勧めします(そして読む気がなくなるかもしれないが)


posted by めねたおたべ at 18:00| ノベル(フィクション全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

St. Nacho's/放浪のはてたどりついた癒しの場所(M/M)

St. Nacho's (English Edition) -
St. Nacho's (English Edition) -
クーパーは3年間というもの、町から町をバイクで放浪しながら暮らしていた。短い間レストランのキッチンなどで裏方の仕事をし、たまにヴァイオリンの演奏でチップを稼ぎ、モーテルや路上で寝泊りしていたのだ。
カリフォルニアの小さなリゾートタウンで、クーパーはSt. Nacho'sという店に立ち寄る。バーでもありレストランでもある店の上階がたまたま空室で、親切なオーナーがキッチンで手伝いをするかわり寝泊りして良いと言ってくれる。キッチンでの仕事が終わった後、クーパーはヴァイオリンを弾くこともできた。
St. Nacho'sはゲイバーでも、聴覚障害の学生たちがたまり場にしている店でもあり、リゾートを楽しむ人や、単に食事に来る人など、様々な人が行きかう場所だった。ウエイターとして働く学生で聴覚障害のあるショーンはクーパーに興味を持ち、せいぜい1週間だと思っていたクーパーの滞在は長くなった。ゆっくりとクーパーはショーンやSt. Nacho'sの人々に心をひらいていき、ショーンと恋人同士になる。しかし、クーパーが心から楽しく笑えるようになったころ、突然故郷から過去が彼を追いかけてきたのだった…

カリフォルニアのSt. Nacho'sという店を舞台にしたシリーズの1作目です。0円だったのでDLしたのですが、これがけっこうアタリでした。
クーパー君というのはかつてはヴァイオリンで将来を嘱望された人だったのですが、10代のころからアルコール中毒の気があり、ジュリアードへ進学したものの、その後プロの演奏家としての道を断念してしまいます。リハブで依存症を脱しますが、彼の放浪の原因となった某事故の後遺症や罪悪感でずっと苦しんでおりまして、おまけに流されやすくて面倒ごとも呼んでしまう性格らしく、その日暮らしで3年も住所不定でありました。が、たまたま通りがかったSt. Nacho'sに滞在することになり、そこでショーンと出会います。
ショーンは生まれつきの難聴者ではなく、話すことと唇を読むことはできますが、聞くことはできません。しかしすごく自信にあふれた美青年でして、クーパー君は年下のショーンに押せ押せで迫られます。やがて2人はラブラブになりクーパー君も癒されるわけですが、これで幸せに暮らせました…とはいかず、その後クーパー君のモトカレが出てきていろいろあるのでした。

後半のネタバレはしませんが、前半後半ともに主人公の心理の動きが自然な感じで、癒されつつ成長していくところがとてもよかったです。描写に関しては、ショーンとコミュニケーションをどうとるか、という問題にあたっての詳細(手話を習ったりとか)なんかもよかったですね。シリーズタイトルとなっているだけあって、St. Nacho'sという店とそこで働く仲間たちの描かれ方もよいです。

ちなみに後半登場しいろいろ大変な主人公のモトカレというのが主人公に輪をかけてアレな人でして、どうもシリーズ2巻はこの人が主人公らしいんだけど、これは読むかどうかわからないなあ。なお3巻はまた別の人が主人公らしく、レビューの人気も良さそうなので2巻とばして3巻読んでみたいなあなどと思っています。


posted by めねたおたべ at 00:00| M/Mロマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

ハリーポッター1巻を原書で読んだよ

Harry Potter and the Philosopher's Stone -
Harry Potter and the Philosopher's Stone -

ハリーポッターって既刊は現在、無限Kindle(Kindle UnLimitedともいう)で読めるのですよ。
なので今年はこのシリーズをついに読もうかなーと思っていて、実際どのくらい読めるかわかりませんが(とにかく長い)とりあえず1冊目読了です。なお、日本語の翻訳はかなり前に読んでいて、映画も全部見てるけど、改めて読んだらすっかりいろいろ忘れておりました。
それにしても、原書で読むと、やっぱダドリー一家がいいね!
イギリス児童文学の醍醐味は、なんとなく全体に性格が悪くて暗くて意地が悪いところだと個人的に思っているのですが(すみません…誰にともなく謝っておく)ダドリー一家は日本語で読むより英語で読んだ方が面白いです。なにがどう面白いのかは自分でもよくわからないのだが。
あと、ハーマイオニーはロンとハリーと最初から仲良しだったと思い込んでいたのですが、これは記憶違いで、最初は仲良くなかったんだなーとか、ロンの家の双子はやっぱいいなあとか、そういうことを思いました。そしてスネイプ先生は翻訳も映画も原書もまったくイメージの変わらない人ですねえ。

ちなみに私のお気に入りキャラはマクゴナガル先生です。私の高1のころの国語の先生を想起させるのです(私の先生はベラというあだ名で呼ばれていました。すみません…)

posted by めねたおたべ at 08:00| 児童書・YA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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